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2019/05/19

旧開智学校

The Kaichi School

 

昨日の朝、携帯の新聞に目を通すと、あの「旧開智学校」が国宝になるという記事が載っていた。

 

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明治以降の建造物としては、「旧東宮御所(現迎賓館赤坂離宮)」、「旧富岡製糸場」に続く3件目となる。

 

明治時代は、和的な物から、西洋的な物の受容と言う文化的な転換期/移行期であり、悪く言えば、明治的な物イコール和洋折衷的というイメージがついて回る時代。

 

しかし、数十年で、西洋の文化を吸収、消化し、日本の物として昇華させたこの時代の物は、もっと評価されるべきと多くの声があったというのは確か。

 

江戸時代の終わりから、外国人建築家が招聘され多くの西洋式建造物が建った。しかし、それはあくまで外国人居留地の周りだけの話であり地方には縁遠いことであった。しかし、明治政府の国策による明治5年の学制発布により、地方に西洋館が続々と立つことになる。あくまで疑似洋風式ではあったが。

 

長野県には、開智学校が作られる前年に中込学校が作れている。静岡、山梨、長野の3県は全国でも最も盛り上がった県であったようだ。いまだに現存する当時の学校が多く残っている。

 

下は旧中込学校。棟梁は市川代治郎。

 

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この当時の、建造物は木製である。石造り、レンガ造りの西洋のそれと比べると、お粗末に感じるかもしれない。しかし、細部のこだわりは、和洋折衷と言う枠では囲えない面白さである。このような建物群は、「漆喰系擬洋風」と呼ばれている。

 

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開智学校の、角の部分には石造りに似せた物がある。もちろんこれも、漆喰作り。

 

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西洋の建物の、コーナーストーンを疑似したものであるのは明白。

 

建物の前面に目を移すと、天使が学校名を持ち上げ、舞っている。

 

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良く見ると、この天使はこの当時の新聞の題字の脇にいるものとそっくりである。

 

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毎日新聞の前身である「東京日々新聞」は、この開智学校の棟梁を務めた立石清重も購読していたというから、デザイン的には無関係ではなさそうである。

 

建造物が国宝に指定された場合、家具がその中には含まれるかは定かではない。しかし、開智学校には、家具的にも、その頃の物とされる、4号机が残っている。

 

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材質や構造まではわからないが、基本アイデアは、西洋の学校家具そのものである。

 

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しかし、天板上の大きな凹みは、硯が入るところ。西洋の物はインク壷用の窪みがある。ペン文化と筆文化の違いで面白い。

 

国宝に指定されると、何がどう変わるのかは分からないが、現存しているものが、上手く次世代につながればいいなと思う次第である。それと同時に、外枠だけではなく、中の家具にも目を向けてもらえればよいのだが、、、、。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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