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2019/11/10

Commode Chair

コモド・チェア

 

このコモドと言う言葉は、家具の専門用語としてはややこしい言葉である。

 

元々フランス語のこの言葉、「便利な」と言う意味だが、それが転じて、衣類などを収納できる足付き箪笥を総じてコモドと呼ぶようになったのは18世紀の話。

 

それが、どうしてイギリスに渡り、「便利な」が、寝室などに置かれる陶製などで出来ているおまるを収納する椅子の事を指すようになったのだろう。

 

形としては、18世紀の初頭から存在するので、その頃は違う名前で呼ばれていたに違いない。

 

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この、コモド・チェア18世紀の終わり頃に作られたと思われる。

 

ヘップルホワイトからシェラトンへとデザインの主流が変わっていく時のもののようだ。

 

座面はドロップ・イン・シートに変更されている。もともとは椅子と同じマホガニーの座面で、真ん中に丸く穴の開いたもの。そこに、恐らく陶器製のおまるが備え付けられている。その上に、挽き物で挽いた蓋。

 

寝室のベッド脇に置かれ、わざわざトイレに走らなくても済む。

 

今日、VRのお陰で、色々な経験が体感できるようになった。しかし、その場で消えてしまう、音や匂いというものは再現するのが難しい。

 

五感を使って感じてたものは、間違いなく脳に深く刻まれる。その経験がない僕らは、コモド・チェアと聞いてもあまりピンとは来ないだろう。介護の現場などに遭遇し、初めて認識出来るに違いない。

 

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座面のおまるを隠すために、座枠がスカート様に長くなっている。もちろん、マホガニーの一枚板ではなく、松材に良い木目のマホガニーのべニアが貼ってある。

 

Dsc08156

 

上から見たほうが、わかりやすいだろうか。

 

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もちろんコーナー・ブロックは後付け。壁につけておくため、後ろ側にはおまるの目隠しがない。

 

面白いのは、背ずりの装飾。

 

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スプラットと呼ばれる縦に走る材。

 

上部、下部に彫刻で装飾が彫り込まれている。

 

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Dsc08149

 

良く見ると、全て意匠が違うことに気づく。

 

何故??

 

裏側を見ても、新しい部材に変更されたものには見えない。もともとは家具作家の作った彫刻のサンプルとしてだったのか、はたまたオーナーのちょっと変わった趣味なのかは神のみぞ知るところ。

 

そんなところを想像してみるのもまアンティークの面白い所でもある。

 

 

 

 

 

 

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