« THONET | トップページ | 江戸後期輸出漆器概論その1(仮) »

2020/03/01

Chinese Export Lacquer Table Cabinet

清製輸出漆器テーブル・キャビネット

 

アンティークにおける中国製という言葉は、誤解を生みやすい。

天皇の下に日本という国がずーっと続いている日本の日本製と、革命が起こる

たびに、国王に該当する人間が次々に代わり、新しい国に生まれ変わっていく

現中国の中国製という言葉が、まったく違う意味を持つ事を本来は厳密に分ける

必要がある。それを知っていて、便宜上中国製と呼ぶのは間違いではないが、

知らずに使い続けると、次第に誤解を生んでいく事になる。西洋では、中国の

歴史なんて普通は勉強しやしないから問題ないが、隣国である日本では自国の

歴史と並行して、中国の変革も習うので、その時、ちゃんと教えないと本当に

間違った認識を持ったまま大人になってしまう。

 

さて、その清製のテーブル・キャビネット。

 

Dsc08461

 

本来は、2枚扉が前面にあるのだが、それがない。

黒漆に金銀彩。

5段の引き出し。

19世紀の物。

 

日本では、開国までは長崎の出島経由で細々と輸出されていたにすぎない。

 

この頃の、日本の輸出漆器は青貝細工が主流なのに対して、こちらは蒔絵。

 

東インド会社のオランダ人が青貝細工を輸出し、ジャンクと呼ばれる船で

長崎に来ていた中国人がもっぱら、日本国内用の漆器を輸出していたのに

起因するのだろうか。

 

Dsc08467

 

Dsc08469

 

写真では、見づらいが、3色の違う蒔絵が使われている。

明るい金、緑がかった金、そして銀っぽい色。

金粉に銀粉を加えることで、違う色を作り出している。

黒い下地の漆面の上に、日本の様に辰砂や弁柄で赤くした漆でデザインを

描き粉を蒔く。

 

Dsc08464

 

Dsc08465

 

中国的な風景画に人物というモチーフが、多く使われる。

赤く見えるのは、高蒔絵で経年で表面の金が擦れて下の朱漆が見えて

きているもの。

 

Dsc08458

 

引き出しを抜くと、中には漢字で順番が振ってある。

「土左、土一、土二、、、」

 

何故土なのかはわからない。

 

良く見ると内側に、扉の蝶番のネジ穴が見える。

 

Dsc08471

 

このキャビネット、湿気のあるところにずっと置いてあったため、底の漆面が

水ぶくれのように膨れボロボロであったため、すべて取り除いた。

 

Dsc08577

 

日本の輸出漆器ように、作業工程を減らすために紙が貼られている。

その上に、土に漆を混ぜた下地。その中に麻のような繊維も見える。

 

どうも、工房によって使うものが違っているのは確認出来るが、それ以上は

未だわからず。

 

日本の輸出漆器研究と似たり寄ったりではあるが、現存する数は中国製の

物の方が圧倒的に多い。膨大な数の物達を集合的解析をすれば、もう

少しは何か面白いことが判るかもしれないが、なかなか難しいのが現実だ。

 

 

 

 

 

« THONET | トップページ | 江戸後期輸出漆器概論その1(仮) »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« THONET | トップページ | 江戸後期輸出漆器概論その1(仮) »

フォト

instagram

2024年3月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
無料ブログはココログ