« フリーメーソンのネットワーク、物質文化、そして出島 | トップページ | Qing Lacquer Needlework Table part1 »

2020/06/06

Lacquer Cabinet on Stand?

漆塗り台付きキャビネット

 

ネットフリックスやSNSなんかの無かった時代に、今現在のような

自粛生活を余儀なくされたら人々はどうしただろう。まあ、その時

はそれなりに時間の過ごし方を見つけるであろうが、現在の人たち

は、この発達したネット社会の恩恵を受けて生き抜いている。

 

自然ラップトップやタブレット、携帯を見て過ごす時間が長くなる。

そんな中で面白いものを見つけた。イギリスでは、インテリア・デ

コレーション業界の老舗、コーファックス・アンド・ファウラー社

の在庫するアンティーク商品の一つ。

 

1_20200606202401

あまり見慣れない形である。

原形の形については過去のブログを→記事

 

コーファックス・アンド・ファウラー社のウェブサイトには中国製と

の記載があるが、出島経由の輸出漆器。紛れもないMade in Japan。

輸出漆器の研究者の間ではこの形の物で知られているのは、アメリカ

ピーボディ・エセックス博物館の所蔵されているもののみ。

 

Dsc08781

Dsc08782

 

ドレッシング・キャビネット。左右に蝶番で開く天板を開けると、

細々としたコパートメントや鏡。今までカタログなどの図版でし

か見たことのなかった一品。

 

3_20200606202901

 

正面につく引き出しのレイアウトは全く同じ。違うのは取っ手か。

 

4_20200606202901

 

銅の色がはっきりわかる錺金具。この形を見て思い出したのは、

ライティング・スロープと呼ばれる携帯用膝机。もともと従軍家具

なので、収納しやすい出っ張りをなくした構造になっている。

面白いのは、この雲をかたどったような文様。今まで見たことがな

い。

 

2_20200606202901

 

ピーポディ・エセックス博物館の物は金彩になっているが、これ

はフルーティングと呼ばれる丸溝が彫られ、その周りに青貝で装

飾が施されている。脚先のキャップも銅製なのが判る。

 

5_20200606202901

 

上の天板を開いたアップ。蝶番も、錠も有難いことにオリジナル

が残っているようだ。

 

目玉は、天板の装飾や裏側が見えるという事。

 

7_20200606202901

 

山水画。初期の物をうかがわせる。

 

6_20200606202901

 

裏側と言えども、きちっと漆が施され、青貝で装飾がされている。

見る限りは、1801年に持ち帰られたとされるピーボディ・エセッ

クス博物館の物より古いようである。ササヤ製の特徴である、散ら

し鳳凰も見られ、同じ工房で作られたのは間違いなさそうである。

 

ウェブサイトの記載ではキャビネット・オン・スタンドと書かれ

ているので上と下が分かれるのだろうか。

 

自粛中で実際に見に行けないのが残念である。昨年の、フランスで

出てきたセレクティアと言い、ここの所江戸後期の輸出漆器の当た

り年が続いている。まだまだ面白いことが発見出来そうである。

 

 

 

 

« フリーメーソンのネットワーク、物質文化、そして出島 | トップページ | Qing Lacquer Needlework Table part1 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« フリーメーソンのネットワーク、物質文化、そして出島 | トップページ | Qing Lacquer Needlework Table part1 »

フォト

instagram

2024年3月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
無料ブログはココログ