呉鎮守府司令長官官舎(現入船山記念館)のアーツ&クラフツ
Arts and Crafts in KURE Naval District Commander's Official Residence
家具道具室内史学会では、色々な講座を開いている。会員、非会員共参加出来
るので、一度は参加してみたいと思いつつ、タイミングが合わず実現はしてい
ない。それが、コロナ禍の状況でで、この第11回講座が、実際の参加型ではな
く、オンラインで開催された。
PDF形式の資料をダウンロードし、動画を視聴する形。
世界中で海外渡航が自粛されている今、パリのルーブル美術館でも、オンライ
ンのヴァーチャル・ツアーが企画されていると言う話を聞いたり、これからも
こういうタイプが増えるので、国外からでも参加しやすくはなるが、やっぱり
実際に見るのとでは違うかな、と思ったりする。
この広島県、呉市にある呉鎮守府司令官官舎、現在は入船山記念館として市の
管理下にあるようである。ここも、他の戦前の洋館と同じく、ほぼまったく家
具が残っていない。
講座自体は、
1、金唐紙
2、司令官官舎の家具復元
3、復元された室内
4、モリス商会
金唐紙といえば、上野の旧岩崎邸で見たのを思い出した。
この1905年に建てられた建物。設計者は桜井小太郎。若い時に、アーツ・アン
ド・クラフツ運動の真っ最中のイギリスで学んだことによりその薫陶を受けた。
唯一残る家具が、イギリス製らしいということから、家具は輸入物だったと結論
づけて家具の復元をしているが、実際はどうなのだろうか。
イギリスの世紀末から、エドワーディアン期のインテリアは、かなりごちゃ混ぜ
である。本当に古い物、古い物を模倣したものと新しいものが混じる。ただ、ウ
ィリアム・モリスの壁紙を貼って今うような家主が選ぶインテリアは、古典趣味
的には違いない。
以前見た、ウィリアム・モリスの壁紙を思い出した。ピーター・ラビットの産み
の親ベアトリクス・ポッターさんの家のインテリア。家具は、ゴシック調である。
来月の4日までは、アクセスできるので興味のある方は是非。
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