オークション

2020/08/31

Then Japanese Export Lacquer Centre Table

日本製輸出向け漆塗りセンター・テーブル、その後

 

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前回のブログで描いたテーブル。

 

写真故に、100%日本製とは言えないものの、こんなレアな物直に

見れるチャンス、そうはないという事で、イギリスのかなり北の方

で行われたオークションなのだが、朝から車走らせ、参加すること

にした。

 

未だコロナ禍。ほとんどの人は、オンラインでの参加。便利な時代

になったものである。コンピューターの前で、世界中の多くのオー

クションにビット出来る。

 

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お目当てのテーブル。

 

オークション自体は、残念ながら、さすがにそんな金額を自腹で払

えぬ、と負けてしまった。落とした人は、オンライン参加で海外か

らだそう。その手の輸出漆器の需要のあるオランダか、もしかした

ら日本からなんて思いつつ現場を後にした。

 

会場では、結構じっくりテーブルは見ることが出来た。

 

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天板の青貝細工は素晴らしい。間違いなく日本製。

インペイ・ヨルグ氏の「Japanese Export Lacquer」のオランダ・

ヘット・ロー宮殿博物館のテーブルとよく似ている。

 

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特に、天板外側の蒔絵部分。松がデザインされているのだが、この

部分はまったく同じだと思われる。

 

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脚は若干の違いが見られる。

 

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下のプラットフォームの形こそ同じだが、支柱の部分のデザイン

はむしろ同博物館所蔵の3本脚のテーブルに似ている。

脚先のデザインは、ボール・アンド・クロウだったのに対し、

怪獣脚になってしまっている。ここまで露骨なのは、西洋デザイン

ではあまり存在しないので、日本の職人独自の解釈か?

 

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実は、幕板部に引き出しが一つついている。何故かなと思いつつ、

引き出しを取り出し、中を覗くと、

 

Dsc09066

 

天板部の真ん中に穴が開いていて、脚の支柱の上の部分を差し込

み、楔で固定するようになっている。清製の輸出漆器の家具なん

かもそうだが、船で運ぶ性質上、簡単にばらせる仕様になってい

る。脚のプラットフォーム部の下もそうで、支柱の下側も同じよ

うに、プラットフォームの下側に突き抜け、楔で固定してある。

つまりこのテーブル、簡単に3分解にする事が出来るという事。

 

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錺金具は、お約束の銅製に銀張り。

 

このテーブル、イギリスからは出て行ってしまう。個人のコレクターに

落とされたか。はたまたディーラーか。経済的な価値は決して高くは、

ないが、文化的な価値としてはかなり高い物である。日本の洋家具製作

の初期の作品は例が少ないだけに学術的にはかなり貴重ではないだろ

か。

 

 

是非、また巡り合えることを願うばかりである。

 

 

 

 

 

2018/11/14

自在置物

Articulated Sculpture


ロンドンの11月は、「
Asian Art in London」としてアジア美術の催し物が多くある。


ほんの一昔前までは、日本美術が幅を利かせてきたが、ここ10年は圧倒的に中国物である。


しかし、2大オークションハウスの一つであるS社が、十数年ぶりに日本美術のオークションを行うなど、少しづつではあるが、市場に回復の兆しが見えるようである。


片や、もう一つのC社。今月末の香港で行われるオークションに、「明治の美意識」と冠し、自在置物を大々的にフィーチャーしている。



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自在置物、
ウィキペディアによると、日本の金属工芸の一分野。


江戸の中期、武具などの需要が落ちたため、甲冑師等が作り始めたものと言われている。


Carp


1713年の銘が刻まれた清の時代に作られた龍の置物が、現存するものとしては最古とされていて、どうらやもともとの源流は大陸から来たようではある。


江戸の後期には写実性が増し、様々なものが作られる。


昆虫や鳥、蛙や蛇。さらに想像上の動物たちまで。


ほとんどの物は金属製。鉄や銅、銀などが使われる。この自在置物の最大の特徴は、可動部が本物の様に動く事。

Dragon


特に19世紀に入ってからは、ヨーロッパの自然科学の発達とともに、海外にも多く流失し、今では、日本国内ではあまり見ないという事態になっている。


手に取ってみれば、わかるが良く出来ている。

Fish



まさに、ボーイズ・トーイの典型的な物。

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現代の自在置物、ダンゴムシが一時期完売していたことを考えると、江戸、明治の自在置物を欲しくなってしまうのも理解出来る。


オンラインでも見ることのできるカタログで堪能してはいかがでしょう?











2018/04/01

国宝? つづき

ナショナル・トレジャー? つづき


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国宝と言えば、 この間こんな本を読んだ。


「家康公の時計 四百年を越えた奇跡」 落合偉洲著


著者の落合氏は、現役の宮司さん。

その務める所が、久能山東照宮



実は、私も詳しく知らなかったのだが、晩年を、今の静岡市内にあたる駿府で過ごしたあの徳川家康公が、死んだ後に、その地に埋葬するようにという遺言によって、建てられた神社。

しかし、それと同様に家康は、日光にも自分を祭るように、神社を建てさせる。それが、修学旅行先で有名なほうの東照宮、日光東照宮である。


久能山のほうが先に出来、そこにまず埋葬されたのは間違いない。

その一年後、日光の東照宮が出来たときに、あまり聞いたことのない言葉だが、そちらへ改葬されたそうだ。

そういう意味では、今現在、家康公の遺体はどちらに眠っているのかは、厳密にはわからない。

ただ、この著者でもある、宮司の落合氏は、家康公はこの久能山に眠っていると思うと話す。


その家康公の、遺品が多く残るこの久能山東照宮。


この本の、主人公の時計も、ここに残る遺品の一つである。


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この時計を、ぜひ国宝に指定してもらうという一大プロジェクトを綴ったのがこの本。

そういう意味では、アカデミックな読み物というよりは、ドキュメンタリー的なルポタージュという感じでしょうか。


落合氏が、宮司としてこの神社に赴任(と呼ぶ?)して知ったこのお宝。

16世紀末の戦国時代。南蛮人と呼ばれるスペイン人、ポルトガル人との初めてのコンタクトがあった頃の話。

一番象徴的な、種子島への鉄砲伝来として、日本史の授業で聞いたことがあるはずです。

その後、その二国だけでなく、イギリスやオランダも参入してきます。

そんな時に千葉県沖で座礁したスペイン船の船員を救助した、お礼にスペイン国王フェリペ三世からのお礼として贈られたものの一つがこの時計です。


例えば、オークションなどでは、ここまで由来がはっきりしているものは、さらなる付加価値が加算されることは間違いなく、その由来一つで倍ぐらいの値段がついたりするのです。

さらに、その時計製作者、ハンス・デ・エバロ、がフェリペ三世のお抱えの王室御用達の時計師ならばなおさら。


彼の時計は、現存しているものもほとんどなく、スペインでは、もちろん国宝扱い。


そこで、この時計も国宝へというプロジェクトが生まれ、イギリスの大英博物館の専門家に調査してもらい、そのうえで、報告書を作り、文化庁に申請します。


残念ながら、この本が出版された時点では、この時計は国宝には指定されていません。(家康公の遺品は、まとめて重要文化財には指定されています。)



ただ、その後の調査から、この時計は王室御用達のハンス・デ・エバロの作った時計ではなく、ニクラス・デ・トロエステンベルグという時計師が作ったことが判明。

一般的に、アンティークと言われる時計。アンティークで古いから動かないじゃ価値がありません。時計だから、動いてなんぼなのです。ですから、現存している時計は、ほぼ100%もともとのオリジナルだけの部品だけでは作られていません。

中の部品、金属製とはいえ、もちろん摩耗します。そのたびに動く様に、新しい部品を作り直すのです。これが時計の世界での修復。

そういう意味では、ほぼ99%のオリジナルの部品が残る400年前の家康公の時計は、学術的にはかなり価値があるものです。が、それが経済的な価値に直結するかというとそうでもない。


私個人としては、ハンス・デ・エバロ製ではないと分かった時点、400年前のフランダース地方製の機会時計だけでは、市場での価値はかなり落ちるはずだし、歴史的価値としては、家康公の遺品として重要文化財になっているので、国宝とするには弱いのではないかという気がしますが、どうでしょう?



★下の写真は、文字盤をX線カメラで撮り、解析したもの。



 


しかし、新たな疑問。

誰が偽造、新たな銘を施したのだろう。

この贈り物が、1611年、スペイン人の探検家、ビスカイノが日本にもたらしたことは間違いない。それは、日本側の記録に明記されている。

スペイン側の記録はないのだろうか??

本当に、その時計を、スペイン王が彼に託したのだろうか?


まだまだ、物語は続きそうである、、、、、。


そういう意味では、続編を期待してしまう。

もッとアカデミックなものになってしまうだろうが。








2018/03/24

国宝?

ナショナル・トレジャー?



先月、イギリス南西部のオークションで、一つのティーポットが落札された。


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蓋は欠損。

ハンドルの部分も良く見ると、一度折れて補修された跡。使用された接着剤も、はみ出た形で残っている。見るからに、素人のリペアー。

本体の図柄も、ヤシの木に鶴のような鳥。

どこか南国風を漂わせるが、ちょっと無国籍風。

これを、出品した持ち主の方は、数年前に他のオークションで15ポンドで落札したものだという。




ある陶磁器の専門家は、「このティーポットは、本当に国宝級(National Treasure)ものだ。」と言った。



国宝級?



国宝という言葉に、どのようなイメージを持つだろう。




このティーポット、アメリカ最古のアメリカ国内で作られた陶器のティーポットとして、ニューヨークのメトロポリタン美術館が、代理人(真相は、ちょっと違いうようだが)を通して46万ポンド(約6800万円)で落札された。

英国人のマスター・ポッターであるジョン・バートラムが、アメリカ南東部のサウスカロライナ州に渡ったのは、1763年ぐらいの事。

その後、ワンド川沿いの土地で窯を立ち上げる。

その頃の、陶器はほとんどがイギリスから輸入していた時代である。

バートラムが陶器工房を立ち上げて、あのウェッジウッドも、アメリカで陶器を生産されると、イギリスからの輸入が減るのではないかと危惧したそうだ。

ただ、土のせいか、工房自体上手く立ち行かず、バートラムは5、6年後に工房を締め、イギリスへと資金集めの為、帰っている。

その時、サンプルとして、イギリスに持ち帰ったものではというのが、専門家の推測。




国宝と呼ばれるものに、付く価値。


しかし、日本や韓国等の少数の国以外には、国宝という厳密な規定、法律は存在しない。

しかし、国宝(National Treasure)という、一般の曖昧な概念は存在する。


日本では、
世界文化の見地から価値の高いものでたぐいない国民の宝」の物、事が国宝と呼ばれている。

それによって、海外への売却禁止や現状を変更する(修理なども含む)場合には官庁への届け出が必要になる。




イギリスでは、アーツ・カウンシルと呼ばれる省庁の下の機関の
レヴューイング・コミッティが、そのものに対して、一時的に輸出禁止を科すことが出来る。

オークションが日常であるこの国では、そこで落札され海外へと流れて行ってしまう前に、一時的に輸出禁止をする訳である。

しかし、それはあくまで一時的なものであって、絶対的なものではない。

誰かが、その落札額を肩代わりできなければ、海外へと行ってしまう。それが、たとえ国宝級でもである。

そのレヴューイング・コミッティに選ばれたものを見ると、作った人の国籍や場所などはあまり関係ないように見える。

その物が、イギリス国内に何十年、何百年もあれば、立派なこの国の歴史の一部となり、さらに研究の為として、そういう扱いになるようである。


あくまで資本主義の国。国宝級のものと言えども、守るためには、払わなければいけないのである。

選ぶ基準をはっきりと明示しないどこかのお役所とはちょっと違う??



そう考える、あのティーポットの落札された値段は、そうも高くは無い感じがしないでもない。


でもやっぱり高いが、、、、。




2017/06/15

Workshop Clearance Auction

工房一掃オークション

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噂を聞いたのは今年の初め頃か。


ロンドンでも古株の一つとされる家具修復工房が閉房(?)するるらしいとの話。


確かに、英国のEU脱退も決まり、アンティーク家具の需要も昔ほどではなく、ここのところビジネスとしてはあまりいい話はない。


しかし、国会議事堂等の公共施設、ナショナル・トラストなどの団体、オークション・ハウス、博物館、貴族や個人コレクターなどなどを考えれば、需要が完全に無くなった訳ではなく、今まで生き延びてきて、やっと少し景気が上向きになって来ているのに、何故と言う疑問が湧く。


話を聞くと、賃貸だった工房を大家が売りたいとの旨。う~~ん、それではしょうがないか。結構大きな工房で、10人近く修復士が働いてただけに何とも気の毒。




その工房のコンテンツ丸ごとが、オークションに掛けられる。


奇妙な感じがするが、昔から良くあることで、他の工房の倒産の機会は、自分の工房にとって新たなビジネスチャンスの機会。


19世紀には、そうして鍍金のされたチェストの金物の雛形や抜型を購入し、新しいレプリカ家具を作るのは日常茶飯事だった。

個人の木工具こそ、オークションに出てこないが、材木、べニア、金物、強いては大きな工具類が一掃される。

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どの工房でもブレーカーと呼ばれる、壊れた家具を部品取りとして取っておく。

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今では、取引自体が禁止されているキューバ産マホガニーのこんな板が出てくる。幅は20cm程だが、長さ3m程。

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ノブもキャスターも、鍵も、こうやってストックしておくのは修復屋の性か。


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バンド・ソーも何もかも売っぱらってしまう。

本当に、そこらへんは潔い。





オークションで丸ごと、買ってしまえば、あなたもすぐに家具修復工房が始められます。さあ、いかがでしょう??


オークションは24日、金曜日。オンラインでもビット出来るようです。

2017/04/02

The End of one era or the beginning of another、、、

一つの時代の終わり、もしくは、、、、?

先月、2大オークション・ハウスの1つクリスティーズが、ロンドンに2つあるうちの一つサウス・ケンジントン支店(CSK、通称サウスケン)を今年の終わりに閉店させる発表をした。

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今の仕事にかかわり始めた頃、20年以上も前になるが、その頃は4大オークションが群雄割拠委していた時代。現在の2大オークションのもう一つとして残るサザビーズ。その2つにボナムとフィリップスを加えた4社がビッグ・フォーだった。

それぞれのオークション・ハウスが、総合商社のように、あらゆる分野のアートを同じようなタイトルを冠しオークションを行っていた時代。それだけ、売る人も買う人も多くいたということなのだろう。



様相が変わったのはいつ頃からだったのだろう。

サザビーズがアメリカの会社になり、ロンドンの支店を閉鎖。

フィリップスも、フランスの会社になり、営業不振によりロンドン支店がボナムに併合。


ボナム、そして今ではロシア資本のフィリップスも、売り上げの悪い部署を閉鎖。総合オークション・ハウスとして、生き残ったのは先の2社だけ。

専門の家具で言うならば、20世紀以前の俗にいうアンティーク家具を扱っているのは2大オークション・ハウスのサザビーズとクリスティーズだけである。



元々サウスケン、メインのロンドン本店であるキング・ストリート本店より、質、価値が落ちる物を扱っていた所。

その分、庶民向けで、ここのところ「インテリアズ」と冠するライフ・スタイルを丸ごと提案をするような、家具、絵画、陶磁器、照明等、時代、国を問わずの何でもありのオークションで新しい層を開拓していたサウスケン。

業界でもびっくりなニュースで、これという明確な理由はどこにも述べられていない。


考えるに、

イギリスがEU脱退を決めたことにより、単一市場としてのメリット、EU内の国から国へ移動する際の関税の免除がどうなるか分からない故か。もしくは、人件費による圧迫によりインターネット上のオンライン・オークションへの移行か。

2016年の全世界のアートの売り上げは前年より下がり、全売り上げの10パーセントはオンラインによるものという。

カタログの為に写真を撮り、印刷。下見会の為の準備。そのための人件費を考えると、1万ポンドぐらいのある程度安い物では、仮に売れたとしても大した利益は残らないということなのだろう。



あまり、オークションという制度自体に馴染みのない日本の人達。

個人的にはやっぱり、実物を見ないとちょっとと思ってしまう。

でも、だからこそ名のあるオークション・ハウスで買うということなのだろうか。





まあ、どちらにしても私にはあまり関係ないことなのだろうが、、、、。





2012/03/16

Coleridge Collar

コールリッジの首飾り

話が出てきたのは先月の初め頃。

コールリッジ卿が、2大オークション・ハウスの1つサザビーズを
訴えると言う。何年か前にあった話は、オークションのカタログ
に明記されている説明書きが違ったと言う物。製作年に関する
事で、一世紀(100年)違っていた。もちろん100年違うとヴァリュー
も違う訳で、それで訴えられたはず。

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今回のは、少し違って、御先祖様代々の金の首飾りを、恐らく
売却するつもりで、サザビーズにどのくらいの価値があるかみて
貰っていた。最近のオークション・ハウスはオークションでの
仲介料による利益と同じぐらい、俗に言うプライベート・セールでも
利益を上げている。

オークションは言うまでもなく、売りたい人、買いたい人が集まる
場所で、プライベート・セールと言うのはその売りたい人、
買いたい人を直接マッチ・アップさせるとう、いわゆるディーラー
と呼ばれる人たちの仕事なのだが、世界中に顧客を持つ
オークション・ハウスが参入してきてるのである。

コールリッジ卿、35,000ポンドの価値と言われ、
プライベート・セールで売却。その数年後、購入者がその首飾りを
もう一つの2大オークション・ハウス、クリスティーズに持ち込み、
オークションで売却。なんと、落札金額は313,250ポンドであった。
なんと10倍!!

サザビーズは17世紀に作られたものとし、クリスティーズは
オリジナルの1546年もしくは1547年とした事による違いであった。
モンタグ卿が付けるコールリッジの首飾り。ヘンリー8世によって
与えられて物とされる。

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金は、オーガニックの物などと違い、時代測定(推定)が難しそうで
ある。蛍光X線分析法でもどんな金属が含まれているかは出て
くるが、時代推定はその当時の技術では不純物がどれくらい混入
しているかとか、そういう断片的なものでしか判断出来ない。

裁判の判決ではサザビーズが出した価値額は、「まあ、妥当」と
言う事で両者決着がついたが、この裁判費用は1億円を超えると
言われている。結局、儲かったのは弁護士だけと言う事になるの
だろうか。

2010/12/17

Highest hammer price!!

最高落札額!!

Antiqueenglishcommodepossiblybychip

12月7日、ロンドン、サザビーズで行われた「important Furniture,
Silver and Ceramics」オークションで出品されたコモド。1770年頃
の製作と思われる一品。

18世紀後半の新古典主義の様式。黄木、ローズウッド、
チューリップウッドのベニアで彩られたマルケトリーに、オルモル
の装飾金具で豪華に飾られている。西洋スイカズラ(Anthemion)
や子羊の頭(Lamb's head)、グリーク・キー(Greek key)等の
モチーフが使われている。

ハリントン卿のコレクションの中にあったと思われるこのコモド。
スタイル的にはチッペンデールの製作の物と思われるが、
それを裏付けるドキュメントがとうとう見つからなかった。

結局カタログには、"Attribute to Chippenndale"と記載。こう言うの
は売った後に裁判沙汰になったりするので、きちっと裏付けがとれ
ない場合は「~と思われる」としておくのです。

ただ、かなり多くの人が確信を持ってこのコモドをチッペンデール作
と見ていて、かなりの高額の落札額が期待されていたこの一品。

推定落札価格は60万ポンドから100万ポンド。
印象派の絵画何かに比べると安く感じてしまう。

最終的には335万ポンドで落札。
いくら円が高くて1ポンド130円でも4億円近い金額。
オークションでの英国家具最高落札額で落ちたのでした。

2010/11/15

ワードローブの上の壺

A Vase on a wardrobe

Chinese_vase
18世紀、中国、乾隆時代(けんりゅう じだい)の磁器の壺。
乾隆(1711-99)は清朝第6代皇帝(1735-95)で外征により、国土を
広げ、清朝の最盛期を興した。と同時に学術を奨励し、自信多く
の詩を残した。

この41cmの壺。地元の小さなオークションに出品したのは70歳の
おばあちゃん。兄(弟?)が無くなって、彼の家の遺品の中の一点
だった。大概身寄りのない親戚が無くなった場合は、
ハウス・クリアランスと呼ばれる業者に来てもらって、オークションで
売れるものは、出品し、売れないあとの物はゴミとして引き取って
もらう。

40年ほど前に、「アンティーク・ロードショー(Antique Roadshow)」
(鑑定団のもと番組)の前身の番組で、専門家に偽物と太鼓判を
押され、最近の鑑定では800ポンドと言われていたこの壺。
オークション蓋を開けて見ると、4300万ポンドで落札。出品した
おばあちゃんもさぞびっくりしたに違いない。この落札の手数料
(落札額の20%)だけで、このオークション・ハウスは一挙に
億万長者。そして、オークションの歴代高値落札額ランキングでも
堂々の9位に。(ちなみに、トップテンのあとの物は全て絵画。)

中国人が落札したと言われているが、誰だかは現時点でははっきり
していない。過去に国内から流出したお宝を新興成金の
愛国主義者が多く買い戻しているのはここ最近の風潮。ここまで
落札額が上がったのは、その相乗効果とも言える。

ハウス・クリアランスの専門家がこの家を訪れた時に、この壺は
ワードローブの上で埃をかぶっていたという。

記事→Antique Trade Gazette

2010/05/11

良い眼を持っている人をコレクターと呼ぶ

A Collector has a good pair of eyes to look

コレクターと呼ばれる人は、集める事を至上とする。しかし、一度
集めたコレクションをオークションで売却し、又ゼロから集め始め
また、オークションで売り払った人がいる。

Perry2_0002

3月に、某オークションハウスで有ったオークション。タイトルに
ある通りコレクターで有るオーナーはウォルナット(Walnut)、
オーク(Oak)、イチイ(Yew)で出来た家具やトリーン(Treen)と
呼ばれる、木を挽いて作った小道具達を愛している。詰まる所、
オークの時代、ウォルナットの時代の物、16世紀、17世紀、
18世紀の頭位までの物を主に集めていた。

どれもこれも、基本的にはブラウン・ファニチャー
(Brown Furniture)と呼ばれ、今現在の不況の真っ只中、一番
敬遠されがちな家具達。カントリー・テイストが強いというの
だろうか。私的には好みだが、市場にはどう受け取られるか
今年初めのテストのようなオークションだった。

蓋をあけて見れば、出された122点の中で売れた98点で
約1億5千万円(£984,630)を稼ぎ出した。

面白いのは、このオーナー、以前にコレクション大処分の
オークションを1997年に開いている。勿論全部売れたとは
思えないが、今回出品された半分以上の物は1997年以降に、彼
が購入した物と言う事。ほとんどが名のあるディーラーから購入
しているので、結構な金額を払っているはず。それでも、12、3年後
に売却して利益が出ると言う事実。もちろん、先日。ニュー・ヨーク
のオークションで一番高額なアートとして競り落とされたピカソの
絵画のようにはいかないが、投資的な価値と言う物は、買う物を
選べばあまり落ちていないという事。

Perry2_0003

彼のコレクションには上の写真のような、珍しい果物の形
をしたティー・キャディ(Tea Caddy)等が多く含まれる。日本の
アンティーク家具業界でも、良い物をしっかり回していける体制を
作って行かないと、良い物が残って行かない。高額で購入しても
、微々たるした額で買い取り、なんて考えるとリスクな訳で、
良い物を買って、ちゃんとメインテナンスをすれば、価値はそんな
に下がらない、なんて時代は来るのだろうか?? その為には、
買う方も、売る側の言葉を鵜呑みにしないで目を磨かなくては
いけないだろうなあ、、、、。


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