Save The Gillows
ギローズを救え‼
18世紀のイギリスの家具ではあまり見られない、製作した家具に会社の刻印を押した事でも有名。(ちなみに、上の刻印は19世紀後半に作られた家具からの物)
1730年頃にロバート・ギローによってランカスターに設立された家具工房が始まり。丁度、家具製作の主材がウォルナットからマホガニーに切り替わる頃。中南米から来る荷物の多くが近くのリバプールで水揚げされることもあり、良質のマホガニー材が確保しやすかった。その後、船の共同株主の一人になり、独自にマホガニーを輸入し、「質の良いマホガニーの家具のギローズ」として名前が売れていった。
一般にギローズの家具は作りが良い為、偽の刻印が押されたものが市場に出回るほど。
そのギローズの家具を集めたコレクションを展示しているランカスター市が保有するジャッジズ・ロッジングス(Judges' Lodgings、上の写真)が閉鎖の危機にさらされてる。
この市で現存している一番古い建物であるこのジャッジズ・ロッジングス。17世紀前半、いわゆる江戸時代初期の頃の物。
かなり昔から、近くにある裁判所に出廷するために裁判官が泊まるロッジとして使われてきたが故にジャッジズ・ロッジングスと呼ばれる。
1975年から市の博物館として使われてきたこの建物。市のコスト削減の一環として閉鎖することが決定、家具の行方はまだはっきりしないのだが、これだけのギローズのコレクションが失われるのは悲しい出来事、と家具史学会をはじめ多くの家具専門家が声を上げている。
以前、チャールズ皇太子によって救われたダムフリーズ・ハウスのチッペンデール家具のコレクションの時と同じように、一度離散したコレクションは永久に失われてしまう。お金を出せば買えるというものでもないので、基本的に市場に出たときにコツコツと集めるしかない。
実際、アート基金などのサポートを受けこのコレクションもそうやって集められてきた。
珍しいワークボックス。72枚の違った材木の8角形のべニアで彩られている。
さあ、どうなるだろう。
今、嘆願書を集めている。
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